スライドセミナー「脳腫瘍」

CASE 921.17

症例 17. 45歳,男性

44歳 夏より   頭部鈍痛と左同名半盲が出現。
45歳 4月 21日 脳外科入院,CTスキャンにて右後頭葉に造影剤により増強される嚢胞を伴う充実性腫瘍が認められた。
45歳 5月  1日 腫瘍全摘出術施行。
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CASE 921.17 SUMMARY

1.組織学的診断:atypical meningioma

スペース

2.診断に至る要点と注意点

  1. 45歳の男性,後頭葉腫瘍
  2. 密度がやや高い
  3. 腫大した核,明瞭な核小体と狭い細胞質を持つ腫瘍細胞
  4. わずかに渦巻状配列がみられる,砂粒体(+/-)
  5. 核は異型的で,核分裂像は多い
  6. 巣状の凝固壊死がみられる

3.本腫瘍の病理学的概要

  1. 好発部位肉眼像などは典型的髄膜腫と同じ
  2. 組織学的に:活発な細胞分裂活性,高い細胞密度,核細胞質比大,核の多形性,明瞭な核小体,壊死巣の存在,乳頭状の増殖,脳組織への浸潤などが見られるもの
  3. 細胞異型,壊死巣,脳組織への浸潤の3つの組織所見のうち2つ以上認められるものをatypical meningiomaと診断しておく
  4. 再発率が高い

4.Comment

Atypical meningioma 異型髄膜腫

 特徴 典型的髄膜腫の組織学的特徴は保持されているが、再発を示唆する 組織学的所見、すなわち多数の核分裂像、高い細胞密度、核細胞質 比増大、核の多形性、明瞭な核小体、壊死巣の存在、特徴の乏しい び漫性シート状の発育、乳頭状の増殖、脳組織への浸潤などが見ら れるものはこの群に分類される。これらの所見のうち、細胞異型、 壊死巣、脳組織への浸潤の3つの組織所見のうち2つ以上認められ るものをatypical meningiomaと診断することが実用的である。

5.文献

  1. Alvarez F, Roda JM, Perez-Romero M, Morales C, Sarmiento MA, Blazquez MG: Malignant and atypical meningiomas: a reappraisal of clinical, histological, and computed tomographic features. Neurosurgery 20:688-694, 1987
  2. Roggendorf W, Schuster T, Peiffer J: Proliferative potential of meningiomas determined with the monoclonal antibody Ki-67. Acta Neuropathol (Berl) 73:361-364, 1987
  3. de la Monte SM, Flickinger J, Linggood RM: Histopathologic features predicting recurrence of meningiomas following subtotal resection. Am J Surg Pathol 10:836-843, 1986
  4. Jellinger KL: Biologic behavior of meningiomas. Fields WS ed: Primary Brain Tumors. A Review of Histologic Classification. Springer-Verlag, New York, pp231-239, 1989

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