病理学的事項

組織像

 細胞密度が非常に高度な腫瘍組織であり、壊死巣および血管増生を伴っている。増殖する腫瘍細胞には、主に2種類の形態を示す細胞が見られる。すなわち、クロマチンの増量した類円形の核と狭い細胞質を持つ未分化な形態を示す細胞と、明瞭な核小体を伴う泡沫状の核と淡好酸性球状の細胞質内封入体を持つ細胞である。後者はラブドイド細胞(rhabdoid cell)と呼ばれる。ラブドイド細胞が集簇して出現する領域もあれば、2種の腫瘍細胞が混在して認められる領域も見られる。腫瘍細胞には核分裂像が多数認められ、アポトーシスに陥った細胞も多く見られる。なお免疫染色では、腫瘍細胞はVimentin、EMAが陽性のほか、αSMA、GFAPが種々の程度に陽性である。INI-1は陰性である。

コメント

 本例は、ラブドイド細胞の出現に加え、PNET様細胞の出現が見られる非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍(atypical teratoid/rhabdoid tumor (AT/RT))である。診断根拠は、ラブドイド細胞が出現している胎児性腫瘍であり、腫瘍細胞がINI-1陰性であること、である。